ビジネスマンに必要なスキル「全体像を把握する」やり方→メリット

「全体像を把握する」ことは、ビジネスマンに必要なスキルのひとつだとよくいわれます。ここでは、そのやり方およびメリットについてお話したいとおもいます。

なぜ「全体像を把握する」必要があるの?

会社や企業のなかで行う作業には、あなたひとりでやる作業や、なん人かのグループで協力してやる作業、課や部ぜんたいで行うプロジェクトなど、さまざまな形態があると思います。

あたえられた仕事を、それなりにこなせば良いのでしょうか?

あなたにまかされた仕事は、プロジェクトのなかの一部分かもしれませんが、プロジェクト全体の目的や、目標、到達点など全体像を把握しないで作業をしてしまうと、

せっかくやったあなたの仕事が、的をはずした、むだな徒労に終ってしまうかもしれません

気づかずに余計な時間をかけて、効率のわるい仕事をしているのかもしれないのです。

ドラマや映画を見てみよう

おもしろい連続ドラマを見ていると、なんでこんな良いところで終ってしまうの?

つぎが早くみてみたい、来週がまちどおしいと思ったことが何度かあるんじゃないでしょうか。

そしてついに、ドラマの最終章ではとんでもないハプニング(どんでん返し)がおきたりして、感動してしまうのではないでしょうか。

ムービー(映画)でもおなじです。オープニングの興味深い(あるいはイミシンな)導入部からはじまり、どんどん展開するシーンに引き込まれ、最後まで見てしまうのです。

見るがわにとっては、最初っから全体像や結末は分かりません。

しかし、逆に制作する側は、このストーリー全体を把握していなければ、どこで切って、どんな展開で、見る側を引きつけていくかを考えるとともに、最後の結末にむつびづけるために、全体像の把握が必要不可欠となります。

じつはビジネスプロジェクトのプロセスも表現方法はちがいますが、同様の要素がふくまれています。

具体的にイメージする

ドラマやムービーとビジネスとはまるでかけ離れたもののようにも思えます。しかし、全体像を把握するヒントがこの中にあるのです。

ムービー(映画)を作ってみよう

そんな経験もスキルもないのに、そんな大それたことできるわけないじゃないって思うかもしれませんが、とにかく制作する側に立ってイメージだけでもして見てください。

あなたに与えられた役職は、このムービーの助監督(ディレクター)だと思ってください。とうぜん、ストーリーの内容・脚本を読まなければなりません。

また、配役・俳優は監督が決めているので、あなたはそのスケジュールやロケ現場の調整などが主な仕事です。予算も考慮に入れなければなりません。

さて、どうしましょう。

まずは、ストーリー(脚本)を読む(全体を把握する)

とりあえず、仮の脚本(ストーリー)「キューピットは魚と夕日」というタイトルの映画です。

沖縄を舞台とするラブストーリー、主人公は男Aと女Bのふたりです。男Aと女Bは沖縄生まれの幼なじみ、中学・高校と同じ学校のクラスメートです。

でも性格は正反対、男Aは無口で特に目立たない存在だが、幼い時から女Bには好意を持っているが、勇気がなく打ち明けることもできないでいる。

女Bは美人で活発な性格、いつもクラスの人気者。男Aに対しては、幼なじみというだけで特別な感情は持っていない。

高校を卒業したふたりは、それぞれ別々のみちを歩みはじめます。海と魚がを愛している男Aは、地元の水産大学で海洋学をまなび、魚の養殖にたずさわる仕事につきます。

大好きな魚をあさから晩まで世話をし、じみですが充実した毎日を送っていました。

いっぽう野心家で派手好きの女Bは、キャリアウーマンにあこがれ、東京のデザイン専門学校に進み、優秀な成績で卒業して、大手広告代理店に就職します。

さて、つづきが気になりますよね。

まだ結末(全体像)がどうなるかは分かりませんよね、でも最初にラブストーリーといってあるので、みなさんには多少の結末のイメージがわいてくるのではないでしょうか。

ここにヒントがかくされています。ではつづきをお話しましょう。

あなたがディレクター(助監督)

あなたがこの映画「キューピットは魚と夕日」のディレクターをまかされたとしましょう。では、何をすればいいのでしょう?

脚本の展開と結末…全体を知らないと何にもできませんよね。では、ストーリーのつづきをお話しましょう(あくまでフィクションですよ)。

大手広告代理店にグラフィックデザイナーとして就職した女Bは、その才能をめきめきと伸ばし、30代前半にして部下をしたがえるチーフにまで登りつめました。

もちろん、いくつかの恋愛もしましたが結婚までは踏み切れませんでした。ライバルをけ落とし、クライアントには女の武器をスレスレにつかって、

つかみとった今の栄光なんだけど、フッとした瞬間に、なにか一抹のむなしさを感じるのでした。

そんな時、ふるさとの沖縄から一通のはがきが来ました。高校のクラス会の案内です。生まれ育った沖縄の海と自然のおもいでが脳裏によみがえりました。

さっそく休暇をとり、参加をきめました。そこでいままで気にもとめていなかった男Aとの運命の再会をするのです。

クラスの人気者でイケメンの男Z(当時は女Bもあこがれていた)も来ていましたが、なぜか男Zの出世話が自分のキャリアとオーバーラップして、イヤミに聞こえてしまいます。

そんななか幼なじみの男Aと話す機会があり、ずーっと地元沖縄を愛し、海と魚に向き合っている彼の情熱を初めて知りました。

翌日かれの職場を見せてもらうことになりました。ここでのヒントは、クライマックスに至るための下地を作ることです。

ビジネスの世界におきかえるなら、目的にとうたつするための、全体の中での下地のしごとは何かを認識するたいせつさです。

ラストシーン

クラス会の次の日、彼の養殖場でのしごとぶりをまのあたりにして、女Bはいままでの自分の仕事への向き合い方が、いかに不純だったのかを痛感すると同時に、男Aへの尊敬と、恋心がめばえるのでした。

休暇がおわり、東京にもどった女Bは、いままでの仕事を整理して、キャリアも栄光もすべてすてて、会社に退職願を出し故郷沖縄にもどることを決意するのでした。

沖縄にもどった彼女は、もう一度彼に会いたいとおもい、突然かれの職場にいきます。もちろん彼は一生懸命に魚と向きあっていました。

むかしから彼女に好意を持っていた彼は、よろこんで向かい入れ今やっている仕事の内容を情熱をこめてはなします。

不器用な彼はそんな話しかできないのです。でもそれが彼女には新鮮で、ますますこころが動きます。

彼女は彼の仕事がおわったら、海を見にいきたいと誘いました。そしてふたりそろって海の見える海岸に行きました。

そこには沖縄の海に沈む太陽が、ふたりの心をうつしたかのように、あたり一面をまっかにそめています。

夕日を見ているうちに、その光に力をえたのか、彼はいままで口に出せなかった彼女へのおもいを伝えたのです。

それを聞いた彼女はだまってうなずいて、彼の手をそっとにぎりしめるのです。

うれしさのあまりことばにならず、うるんだ目にはまっ赤な夕日が沖縄の海とともに反射していました〜The.End

ディレクター(助監督)のやるべきこと

撮影をストーリーの進行どおりにすすめると、どんなことが起きるでしょう。ムービーの制作会社は東京にあるとしましょう。

すると東京とロケ地の沖縄を、なんども何度も行ったり来たりしなければなりません。どうかんがえても、これでは時間と経費のむだですよね。

映画の製作には、監督やタレント・俳優さんだけでなく、ムービーカメラマン、音声さん、照明さん、大道具、小道具、衣装係、メイクさん、その他おおぜいの人たちがたずさわります。

ディレクターはこれらのタレントやスタッフのスケジュールを調整し、いつどこで、どんなシーンを撮るのかをきめ、そのシーンに必要なタレント、機材、スタッフを手配しなければなりません。

また、それにかかる経費を最小げんに、時間もできるだけ効率よく進めるには、どうすすめればベストなのかを考えなくてはなりません。

それにはこの映画の全体像=脚本(ストーリー)、予算、製作期間、俳優・スタッフの人数、タレントの持ち味、監督の描きたいとするポイントなどすべてを把握していないとできません

ロケーション

また沖縄ロケにおいても、できるだけ1回のロケでたくさんのシーンを撮るよう調整しなければ時間と労力の無駄になります。

沖縄ロケが必要なのは、冒頭のシーン、主人公の幼いころのシーン、養殖場で男Aの働いているシーン、女Bがクラス会に参加するために故郷にもどってきたシーン、

ラストシーンなど、少なくとも4〜5シーンはあるはずです。また、ラストの夕日のシーンは天候にも左右されます。

ストーリーの進む順序を無視しても、どのシーンから撮るのがいちばん効率がよいか、撮影手順を考えなければなりません。

ここでも全体像の把握がひつようですよね。

ビジネスに置きかえてみる

ながながとドラマや映画の話をしてしまいました。かた苦しいはなしをするよりも、こんなたとえばなしのほうが気楽に読めて、イメージしやすいのではと考えたからです。

ではこんどは、企業ビジネスにおきかえてそのポイントを考えてみましょう。

ビジネスプロジェクトの全体像=目的、到達点、予算、展開期間、協同作業をする人員スタッフのスキル、会社のモットーや理念、

などそれらを把握し、優先順位をつけ、ポイントを押さえながら、こうりつよく仕事を進めるスケジュールをかんがえること。

あれっ、なんとなく似ていますよね。

映画制作のディレクターの仕事もビジネスマンの仕事も、全体像の把握のやり方においてはほぼ同じなのです。

プロジェクトの目的やその内容は映画でいえば「脚本(ストーリー)」です。到達点は「ラストシーン」です。

予算、展開期間はことばどおり、予算と「製作期間」です。協同作業をする人員スタッフのスキルは「俳優のタレント性やスタッフの技術」です。

会社のモットーや理念は「監督の描きたいとするポイント」です。

全体像を把握するメリット

全体像を把握しないで作業をしてしまうと、せっかくやったあなたの仕事が、むだな徒労に終ってしまうかもしれません、と冒頭でお話しました。

まさにメリットはむだな徒労を回避し、時間の短縮と仕事の効率向上を生むことです。時間をかけずに仕事をするとは、労力をかるくするということです。

時短は人件費の軽減です。これは経営者のメリットであると同時に、ひとりひとりの負担がすくなることはビジネスマンにとってもメリットのはずです。

労力をかるくするとは、具体的にはどういうことなんでしょう。

たとえば、プロジェクトの全体を把握したうえで、コンピューターで作業する仕事と、手仕事でなければできない仕事とに分けてみましょう。

スタッフのなかには、コンピューターがうまく使える人と、コンピューターは苦手だけど、手作業はてばやく完ぺきにこなすひとがいるとします。

苦手な人にコンピューター作業はミスマッチで効率が上がりません。スタッフのスキルを見きわめた上で作業をふりわけることが労力をかるくすることになります。

映画製作でいえばこれは「配役」にあたります。適役をあたえることが良い作品を生むのです

まとめ

ビジネスシーンで、迷ったとき、苦しいときはかならずあります。そんなときは、ドラマや映画のディレクターになった気分で仕事をこなしてみてはいかがでしょう。

きっと気が楽になり、すこしは楽しくビジネスライフが送れるのではないでしょうか。またそれはスキルを高めることにつながると私は思っています。

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