マーケティングの知識を仕事に活かす!会社で出世したい人にも役立つ『100円のコーラを1000円で売る方法』から学ぶマーケティング知識集!

マーケティングと聞くと、どういうイメージをもちますか?

私は営業の人が物やサービスを売り込むために必要な知識のことだと考えていました。

本書『100円のコーラを1000円で売る方法』を読んで、その考えの甘さに気づきました。

マーケティングは物やサービスを売り込むことに役立つだけではありません。

例えばあなたが会社で出世したいと考えていたとした時など、自分自身を売り込むことの役にも立ちそうだと感じました。

本書は、経営企画部での商品開発を舞台にした物語形式をとりながら、一緒にマーケティングの理論も学ぶことができます。

物語は、駒沢商会という会計ソフトを開発・販売する会社において、これまで営業として働いていた宮前久美が経営企画部へ異動してくるところから始まります。

久美は、経営企画部での初めの挨拶で言います。

この会社の商品、みんなガラクタです!

「そんなガラクタを押し付けられた現場の営業は、ものすごく苦労しています。」

「東京(経営企画部のある場所)に戻ってきたのは、この会社のガラクタをちゃんとした商品に変えるためです。」

さて、久美はちゃんとした商品を作ることができるのか??

100円のコーラを1000円で売る方法の要約~書評をまとめてみました!

久美は、多くのマーケティング知識を学びながら、売れる商品のアイデアを練っていきます。

あなたも久美と一緒に学んじゃいましょう!

事業の定義

会社で提供しているモノやサービスの製造販売だ、と考えることを製品志向、そのモノやサービスが属す市場に共通する価値の提供だ、と考えることを市場志向といいます。

以下で例を挙げて説明します!

マーケティングの前提として、自社の事業の定義を間違えないことが非常に大切です。

本書の物語で、主人公久美の前に立ちはだかる上司が、与田。彼は久美に次の質問を投げかけます。

「当社の事業とは、なにか?」

久美は強気に答えます。

「ウチの事業は、“お客さんのお役に立てる会計ソフトを開発して、提供すること”に決まってるじゃないですか」

しかしこれは0点の回答なのです。

例えば、日本ではこんなに使われている鉄道が、アメリカではなぜ衰退したのでしょうか?

それは、アメリカの鉄道会社が自社の事業の定義を誤ったからなのです。

与田は言います。

「その原因は鉄道会社自身の考えにありました。彼らは、自分たちの事業を“輸送事業”ではなく“鉄道事業”と考えていたんです。だから、自分たちのお客さんがバスを使っても。『うちは鉄道会社だから関係ないと思ってしまったんです』」―P25, L11

その結果、アメリカの鉄道会社は“輸送事業”を飛行機や車にシェアを奪われてしまったのです。

ここで、“鉄道事業”と考えることを製品志向、“輸送事業”と考えることを市場志向といいます。

事業を長期的な視点でとらえ、成長していくためには市場志向で考えることが大切さがわかりますね!

顧客満足のメカニズム

経営企画部に異動し、初めての製品企画に失敗したことに納得のいかない久美は、その会社の部長に直接理由を問いただしに行きます。

そこで久美は、こんな問いかけを受けます。

「宮前さん、顧客満足の式ってご存じですか?」

「顧客満足の式は簡単な式で表現できます。顧客満足は、“顧客が感じた価値”から“事前期待値”を引き算した物です。」

これが何を意味しているのでしょうか?

“顧客が感じた価値”とは、その名の通り提供された製品やサービスに対する満足度ですね。

“事前期待値”とは、製品やサービスが提供される前段階の期待度、ワクワク度のことを言います。

あなたにもこんな経験はありませんか?

・美味しいと噂のレストランに行ったのに、あまりおいしくなかった。

・あまり期待をせず入ったレストランが、とてもおいしかった。

顧客満足の式で言えば、前者は低く、後者は高くなります。納得できますよね。

重要なことは、あなたがレストランに入る前の期待感に対して、ただ期待を満たすだけではだめだということです。

それはただ“期待通りの味”だったのであり、顧客満足の式で言えば十分ではありません。

期待度に対して、それを上回ったときにこそ、満足は生まれるのです。

つまり、顧客に期待されることだけではなく、自分だけの強みを見つけ、それを提供してこそ顧客の満足は得られるのです。

久美は、製品開発においてこれまでお客さんの要求をすべてかなえることが一番だと考えてきました。

これを顧客満足の式に当てはめるとどうでしょう?

事前期待値、つまり顧客が事前に期待するスペック・機能を100%満足したとき、顧客満足の式の答えが

100(顧客が感じた式)-100(事前期待値)=0

となるのがわかりますよね。

つまり、お客さんの言うことを聞いてばかりではだめなのです。

むしろ、お客さんの要望が100%正しいとも限らないという姿勢を持ち、製品やサービスが本当にあるべき姿を提案することが大切なのです。

バリュープロポジションとは??

バリュープロポジションとは、競合相手にはない価値のことです。

売れる会計ソフトのアイデアが思いつかない久美。

そんな彼女に与田はバリュープロポジションという考え方を伝えます。

バリュープロポジションとは、

“顧客が望んでいて”、“競合他社が提供できない”、“自社が提供できる”価値の事です。

例えば、大型の家電量販店が家電を安く売り出す中、街の電気屋さんが今も残っている理由を考えたことはありますか?

それは、街の電気屋さんは地域密着を重要視しており、家電量販店が武器とする品揃えと低価格で売ることとは見事に異なる価値を提供しているからなのです。

例えば町に住んでいる高齢者の方々は、少しくらい値段が高いとしてもサポートが充実したお店で購入することを選ぶのです。

確かに家電量販店でも保証が充実してはいますが、さすがに家電を家に設置し、配線などを手伝ってくれるほどの密着はしていないでしょう。

著者は言います。

「頑張っているのに売れないという営業の人は多い。」と

それはおそらく、他の人と同じような価値しか提供できていないからでしょう。

いくら努力しても、そこにライバルがたくさんいるのであれば、競合しない価値を提供するよう努力の方向を修正するべきなのですね!

100円のコーラを1000円で売る方法

マーケティングの知識を身に付けることによって、久美はついに新製品≪社長の会計≫のアイデアを思いつきます。

それは、プロダクトセリングからバリューセリングへの視点転換がポイントだったのです。

リッツカールトンという超高級ホテルでは、コーラが1000円で売っているそうです。

ルームサービスで1035円。

与田が言うには、

部屋でルームサービスに電話すると「15分お待ちください」と言われ、最適な温度に冷やされ、ライムと氷がついた、この上なく美味しい状態で、シルバーの盆に載ったコーラがグラスで運ばれてきた、とのこと。―P165, L14

何が言いたいのかというと、リッツカールトンはコーラという液体ではなく、サービスという目に見えない価値を売っているのです。

このように、ものそのものにとどまらず、心地よい環境で最高においしいコーラという“体験”という価値を提供することを“バリューセリング”といいます。

一方で、コーラという液体そのものに価値をおいてしまうとどうでしょう?

これを“プロダクトセリング”といいますが、同じような炭酸飲料は他でもたくさん売っているので、選ばれるのは大変です。

そして、目の前のお客さんが言っていることは何でも受け入れるというスタンスでは、必ず過当競争に陥り、価格競争になり、消耗戦となるのです。

これを脱却するためには、“価格を下げるのではなく、価値を上げて勝負するべき”なのですね。ちょうどリッツカールトンがコーラでしたように。

これは、以前紹介した本『失敗の本質』でもあった指標ですね。

長期で勝ち抜くためには、プロダクトセリングからの脱却が一番の近道なのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

以上のマーケティング知識があれば、久美が画期的な会計ソフト≪社長の会計≫を開発したように、あなたも比類ないアイデアをものにできるでしょう!

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