点字は目の見えない人が、手でさわって読む文字だってことは知ってるよね。
それじゃ理科の教科書を目のまえのテーブルにおいてみてください。
みんなはその本が理科の教科書で、何が書かれているか学校で読んでいるから、わかると思う。
こんどは目をつむって教科書のてきとうなページをめくってみて、そこに何が書かれてるかわかる?
さわってもツルツルした紙があるだけで、なんにも読めないよね。目が見えないってどうゆうことか少しはわかると思うんだ。
そこで考えだされたのが点字なんだよ。それじゃあこれから点字について、わかりやすく説明してみるね。
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点字はだれが考えだしたの?
学校でならった人もいると思うけど、約200年まえのフランスでルイ・ブライユってひとが考えだしたんだ。
このひとも目が見えなくて、なんとか本を読んだり、手紙を書いたりする方法がないかなって考えたんだね。
そして16才のときに、ゆびでさわって分かる文字、6つの点であらわす点字を発明したんだ。
それからさらに改良して、数字や音楽の音符(おんぷ)をあらわす方法まで考えちゃった。
これがいま全世界でつかわれてる点字のもとになっているんだよ。
それじゃあ点字ってフランス語なの?
その通りフランス語だよ!点字を発明したルイ・ブライはフランス人、ABCのアルファベットを点字にしたんだ。
おなじアルファベットを使う英語なんかはそれでできるけど、日本語じゃ使えないよね。
それじゃあパソコンのキーボードみたいにローマ字でやればいいじゃん?たとえば「ぼく」は「BOKU」って打てば良いんだ。
でもちょっと待った!「ぼく」は2文字、「BOKU」は4文字、ローマ字はひらがなの2倍の字数がいるんだ。
2つですむのに4つ書かなきゃいけないんだ。目をつぶって倍の作業をするのを想像してごらん、どんなに大変かが分かると思うんだ。
日本の点字
いまから約130年まえの明治時代に、小学校の先生をしていた石川倉次(いしかわ くらじ)ってひとが日本の点字を考えたんだ。
この先生は目の見えない人の教育にも熱心で、ルイ・ブライユの発明した点字をなんとか日本語にも応用できないかって考えたんだね。
ルイ・ブライユの点字はアルファベットA〜Zの26文字、それにくらべ日本のかな文字は「あいうえお」だけでも50音、
そのほかに「がぎぐげご」などの濁音(だくおん)や「ぱぴぷぺぽ」半濁音(はんだくおん)、
「しゃ、しゅ、しょ」拗音(ようおん)、長くのばす「〜」など100以上あるんだ。
それでもいっしょうけんめい研究をかさね苦労のすえ、1890年(明治23年)11月1日に日本の点字を完成させたんだ。
これを記念して、11月1日は点字記念日になっているんだよ。
点字の特徴(とくちょう)
点字がふつうの文字とどうちがうか、またその特徴(とくちょう)をあげてみるね。
◆6つの点の位置や点の数の組みあわせで、かな、数字、アルファベット、記号を表す。
〜だから1点でもちがうとぜんぜん別の字になっちゃうんだ。
◆さわったところしか読めない。
〜ふつうの人が文を読むときは、いくつかの字を同時に読む(見る)ことができるけど、点字は指でさわったところしか読めないんだ。
◆文章にはタテ書きとヨコ書きがあるけど、点字はすべてヨコ書き。
〜タテ書きかヨコ書きかは普通は目でみれば分かるんだけど、目が見えない人には分からない。
そこでヨコ書きって決まっていれば、左はじから右へ指でさわっていけば良いってことになるよね。
◆ふつうは字の大きさや、字のカッコウは自由にかえられるけど、点字は一定。
〜そりゃそうだよね、大きさがちがっていたら指でさわるのは大変。
◆日本語は漢字とひらがなが混じっているけど、点字はすべてひらがな。またひらがなとカタカナの区別もないんだよ。
こんなふうに色々と工夫されているけど、点字には表現に限りもあるんだね。
点字の応用
駅の券売機(きっぷを買う機械)やエレベーターのボタンのところに、点字がついているのに気づいたことがあると思う。
そのほか町の中にはいろんなところに点字がつかわれているんだよ。
みんなが毎日目で字を読んで、いろいろなことを知ったり、伝えたりするのと同じように、
点字は 目の見えない人・見えにくい人が生活していくのに、とっても大切な文字なんだ。
そんなふうにいろんな物に、点字やそれを応用したものが工夫されているんだよ。
点字を応用した例(その1)〜お金
たとえばお金の種類はどうやって見分けるんだろうね?
コインは大きさや重さ、ギザギザのある無し、描かれてる絵図なんかを触ればわかると思うけど、お札はどうなんだろう。
じつは目の不自由な人でも区別できるように、お札の隅っこにちょとした凸凹(デコボコ)が付けてあるんだ。
野口英世の千円札にはヨコ一文字が、樋口一葉の5千円札には八角形が、福澤諭吉の1万円札には L字型の凸凹がつけてある。
それをさわってお金の種類を区別しているんだ。
でも使い古してくると、すれてだんだん凸凹なくなってしまう。
それでお札は金額の種類によってタテヨコのおおきさをわざと変えて作ってあるんだよ。
点字を応用した例(その2)〜点字ブロック
歩道や駅でよくみかける黄色いボツボツ。
ふつうの人にとってはじゃまな物かも知れないけど、点字ブロックといって目の見えない人には、とっても大事なものなんだよ。
これは足のウラや杖(つえ)で確認しながら、すすむ方向やきけんな場所をしらせるブロックで2種類あるんだ。
ひとつは「線状ブロック」とか「誘導(ゆうどう)ブロック」といって、線のようにならんでいて進む方向をしらせているんだ。
もうひとつはボツボツと点がならんでいる「警告(けいこく)ブロック」。
これは階段とか交差点のまえ、障害物(しょうがいぶつ)の前にあって、ここで立ち止まって注意が必要だよっておしえるブロックなんだ。
ところがこのことを知らない人が、自転車やバイクをブロックの上にとめておいたので、
目の見えない人が気つかずにぶつかっちゃうトラブルも起きているんだ。
みんなもこれからは注意しようね。でもそんな大事な点字ブロックにも問題があるんだ。
お年寄りや足腰のよわいひとにとっては障害になっちゃう。また車椅子や赤ちゃんをのせたバギーにはガタガタして困るんだ。
そこで改善しようってかんがえているとこなんだって。
意外ときづかない点字の応用
シャンプーとリンスをまちがえないように、シャンプーの容器のよこにわかるように線状の突起(とっき)が付いているって知ってた?
またスイカなどのカード類にも切れ込みや、点字が打ってあったりして、何のカードか裏表や差し込む方向が分かるような工夫がされているんだよ。
またソースやジャム、とうふなどの入れものにも点字が打ってあるのもあるんだって。
日常使っている物に点字が応用されてるものがまだまだあるかも。すこしさがしてみるのも面白いかもね。
まとめ
点字パソコン
ここまで点字やその応用について話してきたんだけど、新しい発見はあったかな?
目の不自由なひとにとって点字が大切なのはわかったとおもう。でも目の不自由なひとでも点字ができない人が意外とおおいんだよ。
それは小さい頃に目が見えなくなった人は点字を習うことができたんだけど、
年を取ってから事故や病気で失明したひとは、それからじゃ点字をなかなかおぼえらんないよね。
また点字ブロックのようにほかの障がい者にとっては問題になることもあるんだね。
そんなことも考えながら、ふだんの生活や町の中を見てみると何かあたらしいアイデアがでてくるかも知れないよ。
それができるのはこれから大人になる君たちかもね!