ナゾ解きってなんかワクワクするよね。ナゾや分からないことを調べるってのは、ちょうどタマネギやキャベツの皮を一枚ずつはがしていくように、
右をむいたら次は左がわっていうように色んな方向からはがしていかなきゃだめなんだ。「天皇陛下とは何者なん??」ってナゾを解くのもおなじ。
学校で教えないことや歴史の教科書にはのってないこともここでは話していくよ。そうやって一枚ずつナゾ解きをやってみようと思うんだ。
天皇の歴史は世界最長
いま学校に通っているひとはたぶん全員平成生まれだと思う。
ぼくたちが使っている暦(こよみ)には、平成とか昭和とか明治のような和暦(われき)と西暦(せいれき)の2種類あるよね。
なんでメンドクセ〜2つもあるんだ?
西暦はイエス・キリストが生まれた年を元年(1年)として数える暦で世界共通なんだ。
ことし西暦2018年はキリストが生まれてから2018年目で2017年たったってことなんだ。どうして1少ないかって、それははじめを「0」じゃなく「1」って数えてるからなんだよ。
それじゃあ和暦はどうなの?これは日本だけの数え方で天皇が即位(天皇の座につくこと)した年を元年(1年)として数える暦なんだ。
いまの平成は125代目の明仁親王(あきひとしんのう)が天皇になった年からかぞえるのでことしで30年目ってこと。
平成が125代ってことは和暦はいままでに125回変ったってことなんだ。
初代の天皇は紀元前(キリストが生まれるまでに何年あるかって数えた暦)660年に即位した神武(じんむ)天皇っていうんだ。
それから数えると和暦は約2680年つづいている世界最古の暦=天皇の歴史もキリストよりも古い世界最長ってことになるんだ。
それほど天皇陛下は暦と歴史にかかわっているんだよ。
和暦(われき)は天皇の歴史そのもの
ここでもうすこし暦のはなしをするよ。和暦はみじかい期間を計算するにはべんりだけど、ながいあいだを計るにはちょっと不便なんだ。
たとえば平成12年生まれのひとがいま満何才かを計算するときは30−12−1=17才で、わりとカンタンにできるよね。
では昭和56年うまれは何才って数えるには、
え〜と昭和は64年までだから(64ー56+30-1)でも昭和は64年は平成元年(1年)だから、これじゃちがうかも、分かんない!ってなっちゃうんだ。
そんなときは西暦で計算すればかんたんなんだ。昭和56年は西暦1981年だから2018ー1981ー1=36才ってね。
いっそメンドウだから西暦一つにしちゃえばいいじゃんっていうかも知れないけど、それじやせっかく世界最古の暦がなくなっちゃう。
和暦がなくなるってことは世界最長の天皇の歴史もいっしょに消えちゃうんだよ。日本だけでなく世界の財産がひとつ無くなるってことにもなるんだよ。
知らないひとも多いけど、日本の天皇の歴史はギネスブックで世界最長記録として認められ、世界各国の要人(重要で偉いひと)もそれをうやまい一目おいているんだ。
その証拠にエリザベス女王やアメリカ大統領が同席のときにも日本の天皇に上席(良い席)をゆずるっていうくらいなんだ。
奈良時代にタイムスリップ
いまから約1400年前、奈良時代にタイムスリップするよ。
その時代は推古天皇(すいこてんのう)が日本の王で聖徳太子(しょうとくたいし)が摂政(いまの総理大臣)をしていたんだ。
当時の中国は隋(ずい)という強大な国が支配し、そのトップに煬帝(ようてい)というエンペラーがデ〜ンと座っていたんだ。
隋からみれば日本は野蛮(やばん)なちっちゃな島国としか見ていなかったんだ。
聖徳太子はそんな隋の子分にはなりたくないけど中国のすすんだ文化は学びたいと思い
「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す」っていう国書(国が出す手紙)を隋の皇帝あてにかいたけど、皇帝をたいへん怒らせてしまったんだ。
これを今の言葉でかんたんにすると「日出る処の天子」→太陽がのぼる東の王(天子)から「日没する処の天子に」→太陽が沈む西の王(天子)への手紙。
のぼる勢いの日本、いまにも沈んでしまう中国って言ってるようにとられても仕方ないよね。
でもほんとうに怒らせた理由は隋の皇帝エンペラーに対し小国の王がおなじ「天子」という同格の文字をつかったところだって説もあるんだ。
それでもめげない聖徳太子はつぎの年「ひがしの天皇がにしの皇帝にこころをこめて申し上げる」ってまた手紙を出したんだ。
じつはこれが「天皇」という呼びかたを国際的につかった最初なんだよ。
それまでの日本では天皇のことをスメラミコトって呼んでいたんだ。中国にだす手紙は漢字じゃなきゃ通じない、「天子」ではおこらせたから日本を天皇、隋を皇帝としたんだ。
聖徳太子はうまくかんがえたよね、中国をエンペラーでおだてて、
日本は子分を意味する王(キングは皇帝したがう地位)ではなく「天皇」っていうあたらしい言葉で煙にまいたのさ。
聞いたことのない「天皇」という呼びかたにとまどったのか隋はあっさり認めてしまったんだ。
それで中国は日本を独立した国としてみとめ、ひとも行き来し文化の交流もはじまったってわけさ。
天皇はエンペラー?
皇帝(こうてい)エンペラーってどんな地位か知ってる?なんかとてつもない力をもっていくつもの国を支配した人〜そんなイメージだよね。
歴史の教科書にもでてくるローマ帝国のジュリアス・シーザー、中国の秦の始皇帝(しんのしこうてい)、フランスのナポレオン皇帝、ナチスドイツのヒットラー提督など。
でもそのひとたちは死んでしまっていないんだ。でも今現在、世界でたったひとりだけエンペラーって呼ばれる人がいるんだ。
それは誰かって、なんとびっくりなんだけど日本の天皇陛下なんだよ!ちょっと皇帝のイメージとはちがうよね。
明治維新で世界と交流するようになり国際社会にふみだしたとき日本のトップの天皇陛下を英語であらわす必要が出てきたんだ。
ところが英語には天皇にみあう言葉がなかったんだ(そりゃそうだよね日本固有の呼びかたなんだもの)。
それでしかたなしにエンペラーって訳されたわけなんだ。
そんなわけで皇帝と呼ばれる人がいなくなってしまった現在、日本の天皇陛下が世界で唯一のエンペラーになったんだ。
まとめ
「天皇陛下とは何者なの?」のタマネギはまだむききれていない気がするんだけど、今回はこのくらいでおしまい!
機会があれば次ではもう少し皮をはがしてみたいと思います。ではサヨウナラ!